開発ストーリー
旅立ちの時にふさわしく、美しいもの。
環境への負担を少なくした数珠を作りたい。
納棺用数珠をご存じですか? 亡くなられた方の手にかける数珠のことです。
愛用していた数珠をかける方もいるようですが、近年は手軽で安いプラスチック製数珠が一般的に使用されています。
しかし、プラスチック製数珠は燃焼する際に有害ガスを発生させます。
またデザインも旅立ちの数珠としてはさみしい限りではないでしょうか。
そこで「プラスチックを知り尽くした企業として、何か出来ることはないか」「火葬時でも環境への負担を少なくして、送り出す際の最後の数珠として適したものを作りたい」という想いから開発を始めました。
私どもではタルク主粘材という素材から、美しく発色の良い珠を作ることに成功。もちろん、成功までにはいくつもの試験、試作を重ねています。
最後のはなむけの言葉を送るために
想いを書き込めるプレート付きを発案
しかし単なる数珠だけでは、従来の木製や石との違いはありません。
私ども心美工房では、メッセージプレートを付ける案が社内から持ち上がりました。
家族だからこそ言えなかった一言、近親者がゆえにいつでも会えると思っていたのに…、など故人にむけたさまざまな気持ちを抱えるスタッフが目立ちました。
生前言えなかった言葉や感謝の気持ちを書き込める数珠、をコンセプトに、数珠作りに着手。燃焼することを前提にしているので、プレートの素材もタルク主粘材で、台紙は福井県の企業らしく、福井の伝統工芸品である越前和紙を貼りました。
こうして仕上がったのが「心美珠」です。
数珠らしからぬ色と思われるかもしれませんが、手に取るとその綺麗な色とツヤを実感していただけることでしょう。
おかげさまで、お使いになったお客様からは「母に似合っていた」「洒落た色を手にした父は微笑んでいるようだった」と感激の言葉をいただいています。